社会福祉法人青い鳥は、幼児期から成年まで障害児・者のライフステージに沿った丁寧な支援を行っていきます

講師の略歴・講演の概要

第5回発達障害者支援フォーラム 各講演の講師略歴・講演の抄録(講演順)

 

姫路市総合福祉通園センター 所長 北山 真次

略歴

1991年神戸大学医学部卒業。1996年より神戸大学医学部附属病院小児科にて心身症や発達障害の診療を始め、2003年からは同病院親と子の心療部の設立に伴い小児科と親と子の心療部を併任、2007年に同講師、2012年から同准教授。2015年に姫路市総合福祉通園センターに着任、2016年に同所長。

抄録

発達障害支援のこれから
現在の考え方での発達障害の報告は、1943年のカナー論文や1944年のアスペルガー論文が最初であるとされている。しかしながら、発達障害という考え方に至るのは1970年代になってからであり、たかだか50年程度の歴史に過ぎない。ここ日本では発達障害者支援法が施行されてから16年が経過しようとしている。もちろん発達障害児・者への支援自体はずっと前から行われてきていたわけではあるが、世の中の人達の関心が大きく発達障害に向いてきたのが20年程前であるということになるのであろう。
子どもは何の手助けもなく発達できるわけではないことは明らかであり、すべての子どもには発達支援が必要である。発達障害支援は、発達支援の一部分に過ぎないのであり、子ども一人ひとりに対する発達支援が充実すれば、発達障害支援そのものが要らなくなるとも考えられる。
発達障害支援は当然のことながら日常生活への支援でなければならない。日常生活への支援は、生活環境の充実へとつながり、そのことが、将来的な2次障害を含む併存症・合併症の軽減に貢献してくれるであろう。
これからの社会はインクルーシブなものになることが求められている。従って、支援はそれぞれの地域で行われ、地域を巻き込んだものになる必要がある。
そろそろ発達の偏りや歪みを“疾患”とする位置付けを考え直しても良いのではないだろうか。医師が“診断”をするという類いのものではないとなると、もう少しいろいろな工夫が生まれる余地ができるのではないかと思う。

 

東京慈恵会医科大学精神医学講座 准教授 井上祐紀

略歴

児童精神科医(子どものこころ専門医)。
1998年岐阜大学医学部卒業。2011年社会福祉法人日本心身障害児協会島田療育センターはちおうじ(診療科長)。2014年公益財団法人十愛会十愛病院(療育相談部長)。2015年社会福祉法人青い鳥横浜市南部地域療育センター(所長)などを経て、2019年東京慈恵会医科大学精神医学講座(准教授)

行動の問題を有する子どもたちの“隠れた強み”を見つけて支援に活かす技法「ストレングス・トーク®︎」を提唱している。

抄録

これからの家族支援(抄録)
発達障害を有する子どもを育てる家族を支えることが、その子育てを安全なものにし、子どもの行動障害を予防するうえでも重要であることは発達支援にかかわるすべての人々によって知られていることだが、これまでの発達支援は親の精神的健康度が保たれているということが前提で行われてきたきらいがある。実際にはADHDやASDを有する子どもを育てている親の多くがメンタルヘルスの問題を伴いやすいことがよく知られているが、親自身が感じる精神的苦痛や混乱にたいしては発達支援の立場から踏み込んだ介入がなされることは少ないように思われる。

親が何らかのメンタルヘルスの問題を有していて、時には精神科主治医のもと治療にあたっているケースも少なくないが、精神医療のユーザーとして(主に薬物療法によって)治療を受けているだけでは子育てにおける強い困難さを減じることができていない場合が少なくないのが現状である。

これまでの家族支援はペアレント・トレーニングをはじめとして、子どもの行動を変容させるための共同治療者としてのスキルを親に身に着けてもらうという趣旨のものが多い。しかし、これからの家族支援においては、親を子育ての中で苦しんでおられる当事者としてとらえ、支えることが重要な部分を占めることになるだろう。すでに海外では、子どもの行動変容だけでなく、親の認知・感情をも家族支援の対象として扱う支援プログラムが施行されつつある。本講演ではそうした昨今の家族支援の動向を紹介し、いくつかのミニワークを体験していただくことで新しい家族支援のコンテンツを体験して頂くことも予定している。

 

明星大学心理学部心理学科 教授 小貫 悟

略歴

早稲田大学人間科学部卒業、東京学芸大学大学院(博士課程)修了

現在、明星大学心理学部 心理学科  教授
明星大学発達支援研究センター 副センター長

博士(教育学)
公認心理師・臨床心理士

専門は、臨床心理学 特別支援教育
発達障害児・者へのスキルトレーニング、アセスメントを専門とする。通常学級における特別支援教育について、授業のユニバーサルデザイン化などの研究も進めている。

<主な著書>
・通常学級での特別支援教育のスタンダード 東京書籍
・授業のユニバーサルデザイン入門 東洋館出版
・LD・ADHDへのソーシャルスキルトレーニング 日本文化科学社
・LD・ADHD・高機能自閉症へのライフスキルトレーニング 日本文化科学社
・新しいLDの判断(分担訳) 日本文化科学社

<所属団体>
日本LD学会 常任理事
日本授業UD学会 常任理事

抄録

特別支援教育のこれから ~本人が変わるのか、周囲が変わるのか~
少なくとも、ここ10年間での発達障害支援の変化は大きく、多くの事例蓄積がなされつつある一方で、発達臨床は、教育、福祉、心理学、医学等々、多岐に渡る領域が担うものであり、領域をまたいで共有するある種の方向性が示されることが、今、必要であると感じる。
さらに、長いスパンで発達臨床現場の変遷を見続けてみると、どうも発達障害への臨床・実践活動を行う支援者全般に、うっすらとした戸惑いが生じているように思えてならない。それらの支援者側の具体的な戸惑いを概観し、極めて粗く整理すれば、「本人の変化を求めるのか」それとも「周囲の変化を求めるのか」の2点に集約されるようである。
本講演では発達臨床が未来にどうベクトルを向けようとしているのかを、講演者が拠って立つ教育領域での発達障害支援(特別支援教育)のこれまでの動きを「3つの波」として整理し、これまで(来し方)を眺めつつ、今後(行く末)を想像してみる。そのような機会としたい。

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