横浜市中部地域療育センターでは、お子様の発達に関する相談支援を丁寧にサポート致します。

所長あいさつ

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はじめまして。横浜市中部地域療育センターの所長の元田玲奈です。

元田所長

当センターは、1996年に南区清水ヶ丘に開設にされた緑の屋根の白い建物の中にあります。駅からやや離れた交通の便の悪い立地で、何故こんなところに?と思い、運営母体である「社会福祉法人 青い鳥」の記念誌を紐解いてみたのですが、「清水ヶ丘の住民の方々が優しかった」と書いてあるだけでした。詳細は不明ですが、地域に受け入れられていった貴重な歴史があるようです。今は最寄り駅からシャトルバスが出ており、利用者の方々は坂を登る必要はありませんが、街の喧騒から離れたちょっとレトロな空間です。

我々の役割は、幼児期から小学生までの子どもたちの精神面と運動面における遅れや偏りや障害のある状態に対し、一人一人が持っている「発達力」を引き出す手伝いです。「ここに子どもを預ければ、その子の障害が治る」という場所ではありません。究極には、「子ども自身が自分を手助けする方法を身につけること」を目指しますが、我々の役割において、当事者である子どもに直接指導や介入を行うこと以上に重要なのが、「その子どもの一番の支援者である養育者を支えること」です。育てにくさがあったり周囲から問題視されたりする子どもを育てることの悩みや不安を持つ保護者に寄り添いながら、保護者がその子の特性を知り、その特性は決して悪いことではないことを理解し、その特性には「手助けが必要である」と認識し、手助けがあれば「何とかなる」ことを経験できるようにしていくことで、保護者自身が最高の支援者へと発達していきます。また、自分たちだけで全部抱え込まずに、地域に赴いて子どもや保護者と接する保育士や先生たちを支援すること、すなわち「現場社会の中での支援」を推進していくのも、我々の大切な任務です。

私はここに赴任する前はシンガポールの日系クリニックで15年間小児科医として勤務し、さらに個人的にアジア周辺諸国を巡回して、在外邦人の小児科相談を行っていました。多様な価値観や異なる文化が共存する社会を知る経験を通して、理解し合えなくても、人にはそれぞれ違いがあることを認識・尊重することが大事だと体感してきました。また、特に海外では「資源や制度がない中でどうするか」を考えることやどうすることもできない難題とただ向き合い続ける、ということも時に必要でした。ちなみに、この「解決できない状態と共にあり続ける能力」をネガティブ・ケイパビリティと言うそうです。当センターの管轄である横浜市の中区・西区・南区は、様々な背景・事情を持った方たちも多く、抱える困難もより複雑で大変なことが多くなります。だからこそ、自分の経験を活かし、我々チーム全体のネガティブ・ケイパビリティを高めていけたら、と思っています。

「人間は何歳になっても発達する」「発達障害は発達する」と私は信じています。そして、大人でも子どもでもヒトが発達するためには、精神的にも身体的にも安心できる環境の確保が必須です。青い鳥の創始者である故・飯田進前理事長は、「福祉は戦争の対極にあるもの」と提唱されています。世界のあちこちで紛争が起き、子どもたちの未来が脅かされている今だからこそ、尚更その言葉の重みを感じずにはいられません。これまでの30年近い歴史の中で福祉を体現してきた当センターが、これからも利用者や職員にとって安心でき、ネガティブ・ケイパビリティを持って大変な困難を共有し合え、我々自身も含めて皆が少しずつ発達していける、そういう組織であり続けることをチーム全員で目指していきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

お子様のことで気になる方はコチラまで TEL 045-253-0358 平日(月~金)8:30 ~ 17:00

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