9月21日、この日は法人の設立記念日です。50年前の1966年9月21日に青い鳥の前身である「財団法人神奈川県児童医療福祉財団」が認可された日です。

50年目にあたる今年、横浜ロイヤルパークホテルで横浜市、川崎市、横須賀市、設立当時の関係者、サリドマイド禍の当事者、また、福祉団体の代表など150名をお招きして、法人設立50周年記念式典を開催しました。

第1部の式典では、東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍先生に「これからの福祉 人工知能やロボット時代の障害のとらえかた」という題で講演をしていただきました。

「障害が障害でなくなる」ように身の回りにあるものを使うテクノロジー(アルテク)として携帯電話やパソコンを例にとってお話されました。視力障害や識字障害はスマートフォンやタブレットを使って学習環境を改善できることや、コミュニケーションに困難な人はSNSなどのコミュニティサイトを通じて社会とつながるなど、現在の仕組みや発想を変えることで実現できる支援について、お話しされました。

第2部の祝宴では、50数年前に学生を中心に組織された「青い鳥十字」の創立者桐山勝之氏に、設立のきっかけとなった青い鳥十字運動の話をしていただきました。

1963年に開催されたチャリティコンサートのテーマは「サリドマイド禍奇形児を救おう」。その収益金は当時会長を務めていた父でもある故飯田進名誉顧問の「先天性異常児父母の会」に寄贈されました。

きっかけは1960年朝日新聞「声」に父が投稿したわが子のサリドマイド禍の訴えでした。父母の会と学生は、心身障害児を巡る問題点を社会に訴えるためにチャリティコンサートを開催し、マッチ募金のための全国キャラバン隊などを組織したそうです。

そのような活動に支えられ、父母の会が「財団法人子どもたちの未来をひらく父母の会」となり、1966年の「財団法人神奈川県児童医療福祉財団」につながったのです。

あらためて、法人の始まりを招待者に紹介できたことで、これからの法人の進むべき道が見えたように思いました。