ロゴマーク「青い鳥十字」について
「青い鳥十字」は、メーテルリンク作の童話「青い鳥」に由来します。作中、博愛の象徴として描かれた「青い鳥」と十字を組み合わせて、デザイナーである梅津耕一さんの手によって創られました。
「全ての子どもたちに社会全体が愛と幸福を約束する心」という想いがこめられています。
青い鳥十字が初めて使われたのは、昭和30年代後半のこと。当時、サリドマイド児の親たちを中心に障害を持った子どもの親からなる「子供たちの未来をひらく父母の会」が、障害を持った子供のための病院を作ろうと「青い鳥マッチ運動」を起こした時でした。
著名な作家たちも賛同した「青い鳥マッチ運動」
マッチを販売してその一部を寄付金として集め、病院を作ろうという趣旨の「青い鳥マッチ運動」は、多くの方の賛同を得て、全国規模の広がりを見せました。
やなせたかしさん、馬場のぼるさん、山下清さんなど著名な作家(画家・イラストレーターなど)を含む80数名の方々から、400点にのぼるイラストを寄贈いただき、それをマッチのパッケージに印刷して販売しました。
そして、その裏面に印刷されたのが「青い鳥十字」。
そこには「このマッチ代金の一部はひろく心身障害児の福祉にあてるために財団法人・子供たちの未来をひらく父母の会に寄付されます。」というメッセージも一緒に添えられました。
マッチから、法人のロゴマークへ
「青い鳥マッチ運動」は大きな反響を得ましたが、マッチの寄付金だけでは病院建設には至りませんでした。しかし、広報宣伝に大きく寄与し、後に病院建設に繋がり「神奈川県立こども医療センター」「青い鳥愛児園」「小児療育相談センター」が生まれました。
運動の中心的役割を果たした「子供たちの未来をひらく父母の会」は後に解散しますが、その理念・活動は「神奈川県児童医療福祉財団」に引き継がれ、社会福祉法人「青い鳥」のロゴマークとして現在へと繋がっております。
青い鳥十字の善意のゆくえ
1966年5月に発行された「子どもたちの未来を開く父母の会」のパンフレットに記載された一文に、
「障害のある児たちは一方では普通の私たちには見られないような優れた才能がある場合が多いといわれますが、障害や不幸な病気を早期発見・早期治療をすることによって、その才能が社会の役に立つように守り育てることこそ私たち大人の責任であり義務でしょう。」
とあります。そのため、多くの方からいただいた善意を
- 医療指導・心理相談・教育指導などの研究
- 専門医・小児医療相談などによる障害児の予防
- キャラバン隊・展覧会・チャリティーコンサートの基金
に役立てるとし、その想いは「早期発見、早期療育」として現在に引き継がれています。